せいかつ編集室・大木春菜が、日々さんと長年お取引をされているG-Wing’s Gallery の中西さんにお話を伺いする、後編をお届けします。
落ち着いて着られることの大切さ
中西さんは、今までファッションで大きな失敗ってしたことありますか?
実はわたし、過去に某ハイブランドのコートを買ったことがあるんです。
それは目玉が飛び出るぐらい高そうです。
忘れもしない、高価なコート!
裏にブランドロゴが入っているやつです。
一見そのブランドのものとは分からないんですが、裾をめくるとちゃんとブランド感があって。
そのさりげなさがすごく素敵で。
勇気を出して買ったんですけど、結局3〜4回しか着ませんでした。
えぇ〜〜〜〜!
もったいなーいっ!!!
なんでなんですか?
落ち着いて着れなかったんです。
なんだか、着ているあいだ中、落ち着かなくて。
結局、息子のお嫁さんにあげちゃった。
あぁ、なんだか分かる気がします。
ソワソワしちゃう。
せっかく買ったのに出番がなかったお洋服、私にもあります。
その点、日々のお洋服は出番だらけです。
ハイブランドのコートはお嫁さんにあげても惜しくなかったんですが、
日々のお洋服は惜しい。
頼まれても、あげたくないですね(笑)
日々の洋服は、かぶっても大丈夫
G-Wing’s Gallery で日々の洋服を取り扱っているということは・・・お客さんと中西さんのファッションが、かぶってしまうことも多いのではないですか?
そうそう。
かぶること、ありますよ。
でも、なぜか日々のお洋服は、かぶっても嫌じゃないんです。
「今日は、きょうだいだね〜」って笑ってます。
日々のお洋服なら、着る人の体型や雰囲気でまったく違うお洋服になりそうですもんね。
一人ひとりの個性への寄り添いが、ちゃんとあるかんじ。
そうなんです。
むしろ友達愛が強くなるんです。
心が豊かになるお洋服
なんだか、日々のお洋服を着ていると、心が豊かになる気がするんですよね。
「いいものを持っている」という安心感。
友達とも、その感じを共有できるのがよくって。
「ひけらかし」でもなく、「失礼」でもなく、
お洋服に対しての心がラクになるかんじなのです。
さっきお話に出た、ハイブランドのお洋服とはあきらかに違いますよね。
ハイブランドも素敵なのですが、服の個性が強いからなぁ。
だから、落ち着かないのかもしれないですね。
わたしの勝手なイメージなのですが、
ブランドものは、着る人によって余計なものをいろいろくっつけちゃってる気がします。
「自慢」だったり、「ステータス」だったり、「お金」だったり。
そこには、「自分のため」というより「他人の目」を気にしたセレクトなのかもしれないなぁ〜。
そうですね。
着物でいうと「大島」みたいな存在。
正装じゃないけれど、普段を輝かせるアイテム。
気負わず着られるけれど、
アレンジ次第で、華やかな場所にも着ていける。
一枚持っていると間違いない。
なるほど・・・!!!
なんだか、日々のお洋服のこと、ファッションにおける感覚の違いが少しだけ分かったきがします・・・。
ファッションは誰のため?
今回、お話を伺って感じたのは、ファッションの在り方は世代によって違うのかもしれないということでした。
今の私には、「普段着」と「お出かけ着」という概念がないのです。
中西さんが言われていたように、ちょっとだけかしこまらないといけないシーンでは、普段着ているワンピースにジャケットを合わせたり、ブローチを合わせたりしています。
冠婚葬祭用のお洋服だけは特別ですが・・・、それ以外は普段からガンガン着るものしか買っていないんですよね。
また、私には「誰かのために着る」という概念もありません。
「お友達のために」「パートナーのために」服を着ることはありません。
いつだってファッションは自分のためのものだと思っています。
それを「イイコト」だと思っていました。
わたしはこの感覚の違い=世代間の違いなのかなぁ〜と感じていました。
正直、古い・新しい、昔・今で区切っていたのかもしれない。。。。
でも、日々代表の小森さんの言葉で、この考えは違うのかなぁと思うようになりました。
大人の女性は自分らしく在りたいと同時に、カメレオンのようにさまざまな立場を演じたいんです。
その演出が上手くいくことに繋がりを感じて、静かだけど深い達成感を感じる人が少なくない気がします。
この感覚、わたしはまだ未経験です。
演出・・・。
立場を演じること。
わたしが思うよりもずっと、ファッションの世界は奥深いのかもしれません。
小森さんの考え方、日々のお洋服の在り方を知りながら、ひとつずつ体験してみたいと思ったのでした。
“ちょうといい”大人のおしゃれは、毎月、10日・20日の2回更新でお届けします。
次の更新は8/10予定です。お楽しみに!
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