“ちょうどいい”大人のおしゃれとは 〜後編〜

40代に突入したばかりの私が大人のおしゃれについて学ぶコラム。今回は、今まで書いてきたコラムの総まとめを、2回に分けて小森さんと一緒にお話していきます。この記事は、後編です!

“ちょうどいい”大人のおしゃれとは、一体何だったのでしょう・・・。

大木さんは、どんな大人の女性がすてきだな~って思いますか?

そうですね~。私が通っている美容室にいるフロントマネージャーさんが、いつ見ても素敵だなぁ~って思います。なんか存在がカッコイイんです。ヘアスタイルはもちろん、いつもネイルまできれいで。

カッコイイって、どういうことなんでしょうね。

「自分らしさ」が分かっている人=カッコイイ人な気がします。その方は、基本的に黒しか着ないんです。大ぶりなピアスが似合う小顔さんで。自分の顔や体型を分かって選んでいる感じです。自分に似合うものをセレクトできるのって大人だな~って思います。

なるほど。では、その方が、もし幼稚園の先生だったら・・・?

それはぎょっとすると思います(笑)

ですよね。職業にも合ってるんでしょうね。ファッションの職業ですもんね。

そうですね。一方で、プライベートでは別の顔・・・みたいな人もいて、そういうのも素敵だと思います。

それはどんな人ですか?

その方は整体師さんなんですけど、普段は施術着なんですね。ビシッとした黒い服で、髪の毛もまとめていて。でもプライベートで 会うと、めっちゃふわふわしたナチュラルなワンピースで、髪の毛もおろしていて。一瞬誰だか分からなかったのですが、ギャップ萌えしました。

ほんとですね~。素敵なギャップ!

そんな風に自分をわかっていて、自分の好きな格好をしている人は大人だなぁって思います。「意思がある」って感じでしょうか。自分を知って、ファッションを楽しめる人って、人生が楽しめる人だなぁって感じます。

「洋服を楽しむ」って、大木さんにとってどんなことですか?

私は、好きな人が関わってつくったという感じが好きなので、「こういう課程を経てできたんだな」と知ったり、感じたりできるものが好きです。

それはどうしてなんですかね。

「適当に買いたくない」というのはあります。つくっている人が好き、ストーリーが好き、ブランドが好き・・・というのが大前提で。それにプラスして、素材、自分に合いそうかどうか。それらの要素がそろうと、買ったときもうれしいし、ワクワクします。

好きな人が 作るものを買いたくなる・・・その心理は?

応援したいという気持ちがあるからです。「買い物は投票」と思う派なので。ファストファッションよりも、作家さんとかこだわりを持って作る人に課金したいと思います。私たち世代には、そんな「推し」の文化がある気がします。

「推し」は、最近言われはじめたことですよね。いろいろな買い物体験をしていくのって、すごくいいと思います。時間があるうちに、いろんなファッションやお買い物の経験ができればいいですね。

「推し」の考えは、もしかしたら年代ではなく、個人の趣向かもしれないですけどね。「推し」とか関係ない人もたくさんいます。

ファストファッションで新作が出たらすぐに買う人もいるだろうし、
機能性で選ぶ人もいるだろうし、
インフルエンサーが着ているもの、上から下まで全部真似っこする人だっていると思います。

人それぞれですね。

ファッションは「人それぞれ」で自由なはずなのに、50代ぐらいで、おしゃれがうまくいかないと思っている人が多いのは、なぜなんでしょう。

体型の変化ですかね?

そうですね。シワも出てくるかもしれないですしね。肌もヘアもツヤがなくなって・・・中身が変わるから、当然外側のファッションは合わなくなりますよね。

大木さんも将来、今の好きなものが似合わなくなったとしたらどうしますか?いまとはちがう好きなものを見つけられると思いますか?

そうありたいですけどね・・・。20代の私は、40代になってこんなにナチュラル系が好きになると思わなかったように。また別の楽しみを見つけるかもしれないですね。

悩むときって、自分を見つけるチャンスなのかもしれないですね。何を選ぶのか・・、そこにちゃんと「自分」がないと、とんでもないことになっちゃうけれど。

自分のものさしを持ててない人も多いですよね。「大人になると見えてくるはず」って思っているのですが、大人になってもずっと迷子だとしんどいかも。「私はなに着てもダメだ。年取ったし。何も似合わない。」って、絶望するのか、「私ってこういう体型で、こいうものが好きで、こういう格好にするって決めた!」って自分のものさしでおしゃれを楽しみ続けるのか・・・その差は大きいですね。

そうですね。カッコイイ大人の女性は、芯があるのが共通点ですね。

びしっとカッコイイ人は、自分を信じてる。そういう人は、実は何を着てもカッコイイですしね!

「決める」って怖いことかも。「選ぶ」ことは、選ばない方を「捨てる」ってことですもんね。あれって、とても痛い。だから見ないようにする。それでも、ちゃんと選んで、自分の生き様に合ったテイストをそろえていけば、全部合うんですよね。自分の「はかり」で選ぶことができれば、靴もバックも。数千円の服も、数万円する服も。全部合わせちゃっても似合う。

たしかに!そうですね。私が知ってる素敵な大人の女性は、高いブランドものもあれば、「セールで買ったのよ~」って、めちゃくちゃ安いものと合わせていたり・・・。服に自分を合わせるのではなく、自分に服を合わせているから、カッコいいんだろうなぁ~。

おしゃれ更新のタイミングは50歳を過ぎたぐらいでやってくる方が多いのですが、その波にのりおくれるとハードルは上がるかも。おしゃれ心を手ばなすより更新できれば、「自分のものさし」を持てて、ずっとファッション楽しめるのではないかと思います。

それ、いいですね!私、50歳までに「自分のものさし」を確立させるのを目標にします♪なんだか楽しくなってきました。

“ちょうどいい”大人のおしゃれとは・・・、「自分の軸」を見つけることなのかも。

誰のものでもない、自分だけの大人のおしゃれ。

「何を着ても似合わない・・・」
「自分の“好き”がわからない・・・」

そんなときこそ、自分に向き合うチャンスかもしれません。

然るべきタイミングで、“ちょうどいい”大人のおしゃれができるよう。

自分の軸を持ちたい。

そのために、おしゃれを楽しむ。

季節を楽しむ。

素材を楽しむ。

そんなことをしてみたいな・・・と思いました。

“ちょうどいい”大人のおしゃれの連載は、今回でいったん終了です。
また不定期で発信できればと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。

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