40代に突入したばかりの私が大人のオシャレについて学ぶコラム。
今回は、全国のファクトリーブランドを集めた“産直生活”を提案するショップ「工場十貨店」の企画販売ディレクター大和田さんをゲストにお迎えし、大人のちょうどいいオシャレについて考えます。
大人のオシャレは知的好奇心と紐ついている?
いきなり本題ですが、大和田さんにとって「大人のオシャレ」ってなんだと思いますか?
「心地よさ」と「こだわり」の追求ですかね・・・。がんばりすぎない、無理をしない。でも、ちゃんと「こだわり」は持っているのが大人の女性だと思うんです。
「こだわり」ってどんなことでしょうか?
大人になってくると、いろんな経験や知識が蓄積されてくるので、ちゃんと意思を持って取捨選択する人が増えてきますよね。たとえば、工場十貨店でお買い物をしてくださるお客さんは商品の裏側のストーリーに付加価値を感じて購入してくださいます。買い物をするということは、「日本の伝統技術を残したい」「SDGsに貢献したい」などの意思表示にもつながりますね。
なるほど。お買い物で社会とのつながりができる感覚ですね。
はい。いろいろなモノがあふれるなかで、いかに「大人の選択」をしていくか。そのために「知る」ことは大切だと思います。大人の女性は、「知的好奇心」が旺盛です。
ただ安いだけでも、ただハイブランドだけでもない。自分で知った上での、深い選択をしていくってことですね。
今まで知らなかった自分と出会う喜び
大和田さんは、工場十貨店の店舗に立つこともあるとのことですが、大人の女性にお洋服を薦めるうえで気をつけていることはありますか?
いかに「素敵に変身できるか」の提案を常に考えています。いくらよいものだったとしても、その人に合わなければ意味がありません。買っていただくということに注力するよりも、似合うお洋服を探すお手伝いをさせていただく。その気持ちを大切にしながら、お客様との信頼関係を築いています。
もし、本人が気に入っていても、あまり似合わなかったら薦めないってことですか?
そういうときは、正直に「こっちの方がいいかもしれないですね」と、本当に似合うものをおすすめするようにしています。ご自身では判断がつかないこともあるので、客観的な視点を加えながら「今まで知らなかった自分」だったり「新しい知識」だったりをお伝えして、ハッピーなお顔で帰っていただくのが一番です。
年齢を重ねて来たからこそ、まだまだ「あたらしいこと」に出逢いたいですもんね。
今、モノに感動する機会って、だんだん減ってきていると思うんです。たくさんのモノにあふれて、いろいろなことが「当たり前」になってきちゃっているから。だから「知らなかったことを知れる」って「感動」なんです。
いつまでも感動して生きていきたいですもんね!!
日々のお洋服も販売してます
工場十貨店でも日々のお洋服を購入できるとのことですが、なぜ日々のお洋服を取り扱いたいと思われたのでしょうか?
日々のお洋服って、一見普通に見えるのですが、ずっとアパレル業界で働いてきた私から見ると、「いい生地使ってるなぁ」ってすぐに気がつきました。小柄でふくよかな人に着てもらえるよう、パターンも研究されてる。私たちがやりたいことは、「こだわったものづくりをしているファクトリーブランドを応援する」こと。日々のこだわったものづくりは、まさにファクトリーブランドだなぁと感じたからです。
そうですね!日々はまさに、生地からパターン、大人の気持ちの変化まで研究して、こだわり尽くしたブランドですもんね。工場十貨店のコンセプトにもピッタリだと思います。いつか遊びに行かせてくださいね。
大人になると、「デザイン 」だけでは満たされない…。そこにあたらしい「自分」や、あたらしい「知識」との出会いが加わることで、気持ちが満たされるのかもしれません。
自分にとっての、“ちょうどいい”。
それは、自分と世界を知ることで成り立つのかもしれません。
まだまだ出会える余地はたくさん。私も、いろんなことを知って、“ちょうどいい”大人のオシャレを楽しみたいなぁと思いました。