身体がきれいに見える「大人の服の選び方」

おはなし:小森真寿美
編集:大木春菜

素敵に着こなすカギ


多くの大人の女性は、年々服選びが難しくなるとおっしゃいます。
そして50代を過ぎるころには、「何を着ても似合わない」と感じる方も少なくありません。

「こうしたモヤモヤの原因は服の選び方」にあります。

服を選ぶ」のは型と素材を選択することですが、型(パターン)は、着た時の形を決めるので体に合っていないサイズはシルエット崩れが起こりやすくなります。そして、くすんだ色や気分が上がらない素材も、おしゃれに着こなすことはできませんよね。

そんなこともふくめて、お洋服を素敵に着こなすためにもセンスを磨く前に、服選びの基準を改めて確認してほしいと思います。


サイズの選び方


服のサイズは日本工業規格(JIS)により、9号・11号・13号…さらに小柄な方、身長の高い方、体型により分類されていますが、一般的なお洋服はS・M・L・LL…メーカーが独自の寸法を表示しています。だから「いつもMサイズを着ているから~と選んだのに・・・しっくりこない」。ということが起こるのです。

では、どうやってサイズを選べばいいの?ということですが・・・

一般的にサイズの確認はきつくないか、ゆとりはあるか、丈はあっているか?とチェックします。それだけできれば普通に着ることはできるものの身体がきれいに見えるかどうかは別で、あともう1つ足してほしいのが「幅」のチェックです。



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幅=横から見た時の厚さですが、たとえば設定より自分自身の胸が厚いと裾のおさまりが悪くなりお腹が出て見えやすい。合っていれば前後のヘムライン(裾)はストンときれいに落ちてくれて歩く姿も気持ちよく決まります。

手にした服がどのような厚さに作られているのか?横姿を全身鏡でしっかりチェックしてみてくださいね。

ほっそり見える服の選び方

つぎは「細見え」するチェック方法をお話しします。

横から見た体の幅」が薄い方にとってそれは気にならないかもしれませんが、年齢による変化で服をサイズUPした方によくみられる、「ゆとりがある服は楽だけど太って見える」を解決できる服の選び方です。

それは、パターンの専門用語で「カマ巾」と呼ばれる袖ぐり幅がポイントになります。

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チェックの方法は簡単。鏡に横姿を写したら腕を自然に下げた状態で見てください。袖ぐりはきつくありませんか?それとも大きすぎていませんか?カマ幅はできるだけ細い服を選べば、人によっては2サイズダウンして見えると喜ばれた方もいるように自然に細見えするので、丁寧に選んでくださいね。

余談ですが、パタンナーのセンスと力量が問われるといわれるのがこのカマ幅です。細く作れれば作るほどスッキリ仕上がるものの、人によっては着心地がよくないし、大きすぎると太って見えてしまう。既製服の悩ましい課題の一つです。

布の選び方

体がきれいに見えるためには「」と、もう一つ大切なのが「」。選び方で質感や印象を大きく左右するにもかかわらず、あまり深く考えないで選んでしまうことが多いかもしれません。

公開講座で「どのように布を選んでいますか?」と聞いてみると、たいていの方は、「肌触りの良さや見た目のおもしろさで選ぶ」とおっしゃいます。

それも大切ですが「ここ」を意識して選ばないと、だらしがない人に映ったり、太って見えやすく大変なことになるポイントがあります。

それが、コシと落ち感「風合い」です。

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コシとは、原料の素材の特徴+織り・編みの組織の工夫で作られます。ほどよくシルエットを保ち、さらりとした肌触りや体離れといった着心地のよさをつくってくれるのが、コシの役割であり魅力です。

落ち感は、糸の重さと、密度をどれだけ込めるかによって決まります。詰めすぎると足さばきがもったりするし、軽すぎるときれいなドレープが出にくくなる点が難しいところです。

縦横ともに同じ長さに仕上がった素材の異なるストールをご覧ください。
風合いの違いは見えますか?
コシ・落ち感はどう感じるでしょうか?

イギリスのツイードに使われる羊です。寒い地域で育っただけあってしっかりした毛は、張りコシが強く出ています。
オーストラリア・メリノ種。温かい場所で育つことから、その毛はしなやかな落ち感があります。

表面の美しさや手触りの良さと、もう一つ大切な風合いをじっくり見て身体がきれいに見える布を選んでくださいね。

くすみのお話し

最後に、お肌やヘアーのツヤを補ってくれる染色について、ちょっとだけ裏の事情をお話します。

長く使っても美しい色のためには、染める前に「下晒し」という工程が必要です。生成りからきれいな白にする一手間の作業ですが、はぶいて染めることもできるしコストを考えるとその方が“お得”と考える作り手もいます。

しかしながら下晒しを飛ばして染めた布は色の変化、堅牢度(色もち)が悪くなり、バランスが崩れてくすみやすくなります。結果、何年か着つづけた服がなんとなく「くたびれる」のは残念なことです。

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ということで
身体がきれいに見える服の選び方をお話ししましたが、いかがだったでしょうか?

よかったら簡単なところからでいいので、あなたの服選びの習慣に加えていただければ嬉しいです。

今度の金曜日からは、ゆる〜いおしゃれのコツがつまったメルマガ【小さなおしゃれのレッスン】を届けしますので、ぜひ、楽しんでくださいね。

小森縫製 小森真寿美

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〈発行元〉小森縫製有限会社
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〈発行者〉大人の日常服「日々」by 小森縫製

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